当院では、アレルギーの検査及び治療を行っております。
スギ花粉症、ダニアレルギーなどに対する舌下錠での減感作療法も行っております。
(適応があるかどうか、要診察)
主な疾患
- 接触皮膚炎(かぶれ)
- 花粉症・花粉皮膚炎
- 金属アレルギー
など
舌下免疫療法
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。
花粉症の時期に服薬する抗アレルギー薬は、症状を起こす物質(ヒスタミンなど)の働きや鼻の中の炎症をおさえて症状を和らげる対症療法です。それに対してアレルゲン免疫療法は、からだをアレルゲンに慣らして、症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
スギ花粉症の場合はスギ花粉を、ダニアレルギー性鼻炎ではダニのアレルゲンを含む治療薬を用います。
適応
5歳以上で、スギ花粉症またはダニアレルギーと確定診断された場合に受けることができます。
65歳以上、妊婦については安全性が確立されておりませんので、治療のメリットがリスクを上回る場合のみ適応とします。
また長期にわたる治療となりますので、根気強く続けられる方に適しています。
開始の時期について
スギ花粉症の場合は、スギ花粉が飛んでいる時期はシダキュアでの治療を新たに開始することはできません。スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっているためです。
ダニアレルギー性鼻炎の場合は時期に関わらず治療は始められます。
治療開始時期についてはご相談ください。
服薬開始スケジュール
① 血液検査で、スギあるいはダニに対してアレルギーがあることを確認
② 初回は診療室内で導入量を内服していただき、約30分間副作用が出ないか観察します。
特に異常がなければご帰宅いただき、1週間ご自宅にて導入量で内服継続していただきます。次の来院は1週間後です。
1週間後からは維持量に増量し、継続していただきます。
シダキュアの効果
治療を始めて、最初の年はまだ十分な効果は得られていない場合が多いです。1年後に効果がなくても、徐々にアレルギー症状が緩和されていきます。個人差はありますが、3年以上続けることをお勧めしています。
主な副作用
- 口の中の腫れ、かゆみ、違和感
- 唇の腫れ
- 喉(のど)の刺激感、不快感
- 耳のかゆみ
など
金属アレルギー検査(金属パッチテスト)
金属アレルギーの有無を調べるには、パッチテストが一般的です。
当院では以下の16種類の金属について調べることができます。
- アルミニウム(塩化アルミニウム2%)
- コバルト(塩化コバルト2%)
- スズ(塩化第二スズ1%)
- 鉄(塩化第二鉄2%)
- プラチナ:白金(塩化白金酸0.5%)
- パラジウム(塩化パラジウム1%)
- マンガン(塩化マンガン2%)
- インジウム(三塩化インジウム1%)
- イリジウム(四塩化イリジウム1%)
- 銀(臭化銀2%)
- クロム(重クロム酸カリウム0.5%)
- ニッケル(硫酸ニッケル5%)
- 亜鉛(塩化亜鉛2%)
- 金(塩化金酸0.2%)
- 銅(硫酸銅1%)
※鳥居薬品株式会社製造 パッチテスト試薬金属使用
スケジュール
パッチテストのスケジュールは以下になります
- ① 貼付日
- お背中、もしくは上腕などの比較的面積の広い部位で皮疹のない部位に、試薬を含ませたパッチテストシートを入ります。
- ② 48時間後
- シートを外し、30分放置したのち、1回目の判定を行います。
- ③ 72時間後
- 2回目の判定を行います。
- ④ 1週間後
- 3回目の最終判定を行います。
注意点
- 貼付当日から48時間後の判定後まで、入浴・シャワーはできません。
- 試薬に強く反応し、水疱となったり、紅斑、かゆみが出ることがあります。またその後に、びらんになったり、色素沈着することがあります。
- 暑い時期には汗の影響で正確な判定ができませんので、行いません。また、検査中は運動はお控えください。
- 正確に判定するため、テープ貼付部位にマジックペンで印をつけます。汚れても良い服でお越しください。
- 内服薬の種類によっては、検査中はお控えいただいた方が良いものもございますので、予め内服薬をお知らせください。
サトウパッチテストパネル(S)
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が選定した、日本人で陽性率が高い原因物質を25種類( ジャパニーズスタンダードアレルゲン) と呼ばれる物質の中から、21種類のアレルゲンを厳選し、さらにメルカプトベンゾチアゾールを加えた22種類のアレルゲン のパッチテストです(No.9, 18は陰性対照)。
1. 硫酸ニッケル | 金属 | ニッケル合金、ニッケルメッキ、歯科用合金、染料、時計、塗料、チャック、コインなど |
---|---|---|
2. ラノリンアルコール | 油脂 | つや出し、化粧品、外用剤、日焼け止め、石鹸など |
3. フラジオマイシン硫酸塩 | 抗生物質 | 外用剤 |
4. 重クロム酸カリウム | 金属 | セメント、なめし剤、クロムメッキ、歯科用合金、革製品(靴、ブーツ、グローブ)、染料など |
5. カインミックス (アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩、テトラカイン塩酸塩) |
局所麻酔剤 | 外用剤 |
6. 香料ミックス (α-アミルシンナムアルデヒド、イソオイゲノール、ケイ皮アルデヒド、オイゲノール、ケイ皮アルコール、ヒドロキシシトロネラール、ゲラニオール、オークモス) |
香料 | 食品、キャンドル、香水、トイレットペーパー、化粧品、外用剤、石鹸など |
7. ロジン (精製松脂) |
樹脂 | インク、ニス、塗料、染料、ワックス、化粧品、接着剤など |
8. パラベンミックス (パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル) |
防腐剤 | 食品、石鹸、化粧品、外用剤など |
10. ペルーバルサム | 樹脂 | 香料、外用剤、ソフトドリンク、化粧品、接着剤、日焼け止めなど |
11. 金チオ硫酸ナトリウム | 金属 | 貴金属、電子部品、歯科用金属など |
12. 塩化コバルト | 金属 | セメント、インク、絵具、鍵、ファスナー、エナメルなど |
13. p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂 | 樹脂 | ゴム・革製品(靴、ハンドバック、時計のベルト、帽子、ベルトなど)、接着剤など |
14. エポキシ樹脂 | 樹脂 | 接着剤、コーティング剤など |
15. カルバミックス (ジフェニルグアニジン、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛) |
ゴム硬化剤 | ゴム製品(ブーツ、靴、ゴーグル、イヤホン、医療用手袋など) |
16. 黒色ゴムミックス (N-イソプロピル-N'-フェニルパラフェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニルパラフェニレンジアミン、N,N'-ジフェニルパラフェニレンジアミン) |
ゴム老化防止剤 | 黒色のゴム製品(タイヤ、ベルト、マスク、ホース、手袋、ゴーグルなど) |
17. イソチアゾリノンミックス (5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン) |
防腐剤 | 外国製化粧品、洗い流すタイプのシャンプー・リンス、工業用防腐剤など |
19. メルカプトベンゾチアゾール | ゴム硬化剤 | ゴム製品(ブーツ、靴、ゴーグル、マット、ウェットスーツ、医療用手袋など) |
20. パラフェニレンジアミン | 染料 | 毛染め・織物・毛皮などの染料、インク、ヘナタトゥなど |
21. ホルムアルデヒド (N-ヒドロキシメチルスクシンイミド※2) |
防腐剤 | 衣類の仕上げ剤、接着剤、防腐剤、塗料など |
22. メルカプトミックス (モルホリニルメルカプトベンゾチアゾール、N-シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド、ジベンゾチアジルジスルフィド) |
ゴム硬化剤 | ゴム製品(ブーツ、靴、ゴーグル、マット、ヘッドフォン、コード、ホース、消しゴムなど) |
23. チメロサール | 水銀化合物 | ワクチン、点眼液、ソフトコンタクトレンズの洗浄剤など |
24. チウラムミックス (テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジスルフィラム、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド) |
ゴム硬化剤 | ゴム製品(ブーツ、靴、接着剤、プラグ、ゴーグル、マット、ヘッドフォン、ホースなど) |
No.9、No.18は陰性対照のため除く。
本剤はジャパニーズスタンダードアレルゲン24種類のうち、ウルシオール、塩化第二水銀の2種類のアレルゲンは含まれていません。